
殺械Gängar
今は大学の夏休み。本大学の謎解きサークル「どら焼きジャッジメント(通称ドラメン)」に所属する6人は暑い部室に籠っていた。誰も無言で口を開こうとする者はいない。座っているだけでも汗が滴り落ちてくる。窓を開けてはいるがこの部室は風通しが悪く、ただ蝉の鳴き声だけが部室に響いている。唐突に海老野が口を開く。 「あぁ~っつ!ここはサウナかよ!いつになったらエアコンは動くねん!」 そう、この部室には非常に古い型のエアコンが備え付けられていた。しかし、このエアコンを動かせる唯一のリモコンはテーブルの上で残骸となっている。本体にはエアコンを起動することができるボタンはなく、エアコンがただのインテリアとなってしまっている。昨日皆でこの部室にいたときは間違いなくリモコンは壊れていなかったはずだ。一体エアコンのリモコンがこのような姿にしたのは誰か。真相が分かったところでエアコンは帰ってこないが、リモコンを殺害した犯人を探す議論が今、始まる。