
円蓋の向日葵
狂乱の時代。1920年代アメリカ。季節は夏。禁酒法が敷かれ、娯楽に飢えていた市民が、目を輝かせチケットを競い買う興行があった。サーカスだ。 A市で公演を行っていたサーカス「マスカレード」は連日満員御礼の賑わいを見せていた。 観客が席につくと、会場の照明が落ちていく。 期待と静寂が満ちる盤上にスポットライトがたかれ”奴”が登場する。看板役者のピエロだ! ピエロはわざとらしく丁寧なお辞儀をしながら口上を述べる 「 今宵は皆様に最高のショーをご覧いただきます!! 」 スポットライトが消え、暗闇にドラムロールが響く。 シャーン!!と響くシンバルの音と共に、再びスポットライトが灯る そこに映し出されたものは、無造作に横たわる首のない死体だった 深紅の血がピエロ服を染め上げていく 観客の歓声は恐怖の絶叫へと変わっていく さあ、ショーの始まりだ