
とある俳優の死
都会のはずれにある小さな建物。 以前は芸能事務所として使われていたが、事務所は都心へと移転。 現在はその芸能事務所の寮に改装され、若い所属タレントが寮生活を送っている。 もとが事務所だった為、稽古場や応接室など、ところどころに事務所時代の名残があり、階段もテナントビルのように扉を開けて出入りする作りとなっている。 週に1度、若手たちの稽古のため、事務所の俳優が寮を訪れている。 佐伯雅彦(さえきまさひこ)。そこそこ名の知れた俳優で、タレント活動もしている。 今日はその稽古日。 いつものように佐伯は午前11時頃にやってきて寮の隣にある丸山食堂の出前を頼んでから、稽古が始まった。(この時一人の若手芸人も一緒に出前を頼んでいる。) 12時前に午前の稽古は終了。再開は午後1時30分。各々食事休憩に入った。