
宙吊りの天使
この事件はとある劇場で起こった。「劇団ココカラ」の主要メンバーたちが次回の公演に向けて練習や舞台装置の確認などを行っていた。演目は「エンジェルドロップス」。記憶を失い地上に落ちた天使と人間の友情と恋愛を描いている。 リハーサル中、ラストシーンの記憶を取り戻して天に帰っていくシーンで事件は起こった。 この劇場には宙乗り装置(演者を空中に吊り上げる装置)があり、天に昇るシーンをその装置で再現しようとした。 その結果、上昇中にハーネスの一部が外れ、主役を演じていた「根森ゆい」は首を吊る形で持ち上げられた。本来すぐに下降させるべきであったが、装置が故障し下降させることができなかったため、被害者は20分近く吊り上げられる形となった。 結果、被害者は搬送先の病院で死亡が確認された。 事故の可能性もあるが、ハーネスの一部が外れ、それが首にかかり、装置の下降ボタンが壊れていたという偶然にしてはできすぎた事実が並んだため事件と事故の両方から操作が進められることとなった。