土偶のマダミ屋

　どこにでもいる普通の女の子、御幸野 葉月。 　彼女の部屋には彼女のお友達──大切なお人形がいっぱい。 　人形たちも物言わぬ身なれど、葉月のことが大好きだった。どうにかこの思いを伝えたい。 　そんなある日──奇跡の一夜が訪れた。 　クロックワークナイト。 　不思議な力を持つ絡繰り時計が0時を告げると共に、人形たちは生気を得て動き出す。 　手足が動く。言葉を交わせる。目と目を合わせる。 　まるで人間になったよう。 　この不可思議な現象の中で、人形たちは思い思いに過ごそうとした。 　ところが── 　30分ほど経ったところで、なんと人形の一人が殺されてしまった。 　犯人はこの中にいる。 　葉月の笑顔を守るため、二人の騎士の真実を追い求める時間が始まった。 　そう。これは、マーダーミステリーだ。