
月を背に微笑む
地方にある大学の4年生の翔琉(カケル)、徹(トオル)、遼(リョ ウ)、真樹(マサキ)、裕佳梨(ユカリ)、絵里香(エリカ)の6人は夏休みに山奥の廃墟へと遊びにきてい た。心霊スポット好きの絵里香、廃墟好きの真樹が計画を立て肝試しをしようという話になったの だ。日中は廃墟の探索、近くの川で魚釣りを楽しんだ。肝試しは翔琉が仕掛け人となり、1人ずつ廃 墟内を探索し奥にあるメダルを取って戻ってくるというものだった。順番に出発し、途中叫び声が聞 こえながらも各々メダルを持って帰ってきた。参加者は全員帰ってきたが、1人だけ帰って来なかっ た人物が居る......仕掛け人の翔琉だ。 全員で探し回っている中、運の悪いことに雨が降り出した。雨脚は強くなる一方で、とても探索でき る状態ではない。車中泊をして、翌朝探すことになった。一体翔琉はどこに行ったのだろうか...... 翌朝、あんなに降っていた雨はやみ晴天と言えるほど晴れていた。しかし地面はぬかるんでいて 車で助けを求めるのは危険だ。話し合った結果、晴れており夕方まで待てば地面も乾くだろうという ことでそれまでは翔琉を皆で探そうということになった。